紀東 紀伊長島 上手磯 ボーズ

2014年04月23日 17:37

春磯の気配

紀東の磯は今シーズンも、良型の寒グレが各地でよく釣れた。グレは産卵期を間近に少しムラも出始めたが、磯ではマダイやクロダイも釣れ始める。26日紀伊長島に出掛けたところ、グレには振られたが54㎝の大型のマダイも出て春磯の気配だった。

紀東の海水温は13度台まで下がっていたが、潮流の影響か一気に17度まで上昇した。加えてこの数日は潮の流れが激しく、釣果も好不調の波が激しい様子だった。これが吉と出るか凶となるか、午前5時半紀伊長島の石倉渡船に到着した。受付を済ませ石倉徳光船長に挨拶をして準備を済ませた。6時、我々を含めて10名ほどが乗り込み、第十あさひ丸は上手磯方面に向かった。この船は紀東では最大級の750馬力の大型渡船で、キャビンがあって快適に磯に向かう。船長の薦めで私と河合達也さん(49)はボーズに渡り、浅野栄治さんは隣の八ノ瀬のロープに上がった。

この一帯は八ノ瀬との名前の通り、低く小さな瀬のような磯が並んでいる。いずれも抜群に潮通しが良く、時には川の流れのようになることもある。コマセを入れて様子を見ると朝はまだ流れはなく、まずは本命の東の錦向きのポイントを探った。水深は浅いのでウキ下を3ヒロとし、コマセと同調させて刺し餌を送る。しばらくするとウキには変化がなく刺し餌が取られ始めた。同所に打ち返すとウキが引かれたが、釣れてきたのはベラだった。やはりエサ取りも活性を増したようだ。8時ごろふと見ると向かいの浅野さんにヒット!大きく竿を曲げて大型魚をタモに入れた様子だ。何かを尋ねると「マダイですよ」とのことでサイズは54㎝のビックワンだった。私にはキタマクラやベラなどは来るものの、グレらしきアタリは無いまま時間は過ぎる。潮は本命の東へではなく反対の西に流れ始め、9時を過ぎたころからそれは速くなってきた。仕方なく釣座を移動して潮に合せて仕掛けを流す。同様に潮に乗せて送っていた河合さんが潮下でヒット! グーンと重量感のある引きが伝わっているが、大きさを確かめるように竿で溜めていた。ラインを巻き上げようとした時魚は走り始めて、再び大きく曲がった後フワッと穂先が伸びてしまった。巻き上げると切れたハリスがざらざらで、シモリに根ズレで痛恨のバラシとなってしまった。残念!


10時半を過ぎたころにはさらに潮は速まり、入れた仕掛けはどんどん流れて行く。仕方なくしっかりした刺し餌を付けて、ラインがある限り流してみることにした。ウキ下も4ヒロに少し深くして、ハリスに小粒のガン玉を2つ付けて流した。70mほど流してウキが視認できなくなったころ、起こしていたリールのベールから出るラインが加速した。ベールを倒して大きくアワセを入れると、ギューンと竿に乗って強い引きが伝わってきた。磯の先端に出て根をかわして慎重に寄せる。流れの抵抗で大きさは判らなかったが、走りからグレではなさそうだ。ようやく足元に浮いたのはまさに桜色の綺麗なマダイで、一足早い春を感じさせる1匹だった。「グレでなく残念...」と言いながら、思わずにっこりの47㎝だった。最後まで攻め続けたが潮は変わらず、あとは魚信なく午後1時迎えの船に乗り込んだ。

釣果は私の47㎝のマダイ、浅野さんはグレ35㎝とマダイ54㎝だった。この日は他も厳しかったのか目立った釣果は出ていなかった。

ただこの前日までは50㎝級のグレも数で釣れており、マダイやクロダイも例年より数多く釣れているようだ。状況次第でまだまだ磯は楽しめそうな気配だった。

石倉渡船 0597-47-0712  5000円 6:00~13:00 他にカセ釣り、ボート釣りも有